浄泉爺のブログ

浄泉爺の考え事を記録します(研究のこと、仏教のこと、教育のこと、ドローンとか)

会員制の寺ネットワーク

以前、タイトルのようなものを考えたことがある。結局、色々問題点が多いと感じたため、自分的にはボツだが、まとめてみよう。

 

会員制リゾートホテルというのがある。有名なのは、例えばリゾートトラストのエクシブなんかが有名だ。

 

どういう仕組みかというと、会員権を購入し、グループのリゾートホテルの一室のオーナーになる。一室一オーナーとなっていない場合もあるが、おおよそそのような感じ。自分がオーナーの部屋は優先的に利用できる(無料では無い)が、加えて、他の会員の部屋も利用できる。つまり、あちらこちらのリゾートホテルの一室を比較的安価に利用できる。

 

さて、こういう仕組みを寺で実現できないかと考えたのが、表題の会員制の寺ネットワーク。会員制の寺ネットワークに加わりたい寺は、ネットワークに登録する。もちろん、審査等は必要だろう。全国に百程度あれば良いだろう。

 

所謂門徒さんはどうするか。まずは、寺ネットワークに加入している寺の門徒になる。もちろん、自分のお寺がネットワークに加入したなら、次のステップであるネットワーク会員になる事ができる。

 

門徒さんの中で、このネットワークの仕組みを利用したい人は、ネットワーク管理会社に申込み、会員になる。お寺経由での申込みになるのだろう、恐らく。

 

会員は次の様にネットワークを活用できる。

 

例えば、実家は山口県長門市なのだが、今は東京都の町田市に住んでいる。祖母の17回忌を勤めたいが、親戚も含めて多くが関東圏に居るため、関東圏で17回忌を勤めた方が集まりやすい。

 

こういった場合には、ネットワークに登録された、例えば町田市のお寺で17回忌を勤めてもらう事ができる。

 

次の様な事も考えられる。

 

祖父は沖縄に一度行きたいと言っていたが、生涯行く事が無かった。祖父の7回忌は、沖縄のお寺で勤めてもらえないだろうか。

 

この場合も、沖縄のネットワークに登録されたお寺と、さらにネットワークと連携したホテルがセットとなり、法事後の御斎まで含めたトータルプランが提案される。親戚を含めた大ツアーで、沖縄で祖父の7回忌というのも悪く無い。

 

さらに、例えば、ネットワークに登録されたお寺の法座案内等は、ネットワーク上で共有される。その情報から、以前から聴聞してみたかった布教師の法話が近所のお寺であると知る。早速参加申込みをして参加。(大抵のお寺は、誰でも法座に参加できるのかもしれないが、申込みの仕組みがあればむしろ参加しやすいだろうと考えた。)

 

といった具合。ただ、上記の様な事を行った場合、その際のお布施はどうなるのか??等は結構難しい問題で、私が考えるのをやめたのもそういう、ちょっとデリケートな話があるためだ。管理会社が間に入って何らかの調整をするイメージだが。管理会社が無く、勝手に各寺がウェルカムすると、お寺間の大問題になりかねないので、調整機構は必要だろう。ただ、やはり仏事を利用した金儲けイメージが強いという批判はバンバンくるだろう。

 

ただ、このような事が可能になれば、過疎地ではあるが、観光資源がある場所の小さなお寺であるとかが、元気になるのではないか。法事+観光といったビジョンもあるのでは?と考えた。

 

いま、このように書いてみて、案外悪くはない気もするが、やはり、お金儲け的な雰囲気が見えて気持ちが悪い。実際の所、仏事をどう再配分するかという事を言っているに等しいので、やはり気持ちは悪い。一方で、過疎地の寺のことを考えると、批判はあるだろうが何らかのネットワークは考えた方が良い気はしている。さらに、町の旅館なども元気になるかもしれない。あらゆるタスクが都市部に集中している現状はやはり異常で、仏事は地方でというながれも悪く無い気がする。ただ、何かの仕組みを組み合わせないと、わざわざ地方でとはならないだろう。

 

ただ、やはりちょっと軽い感じがするため、個人的にはボツと思っている。が、現状では、上記の様なイメージの法事をしたいと思っても、恐らく全く不可能だろうし、そもそもそういうイメージも無いと思う。

 

細かいことを考え出すと、わんさか問題が出てくる話。実現性は薄いが、何らかの画期的な仕組みのヒントにはなるかもしれない。