浄泉爺のブログ

浄泉爺の考え事を記録します(研究のこと、仏教のこと、教育のこと、ドローンとか)

お寺のネット環境改善計画

追記:2020年7月3日 deco X20 追加導入(最後に追加)

追記:2020年7月10日 deco の機種選びについて(最後に追加)

追記:2020年8月4日 その後(最後に追加)

追記:2021年3月12日 お寺のネット環境改善計画・Part2 へのリンクを追加(最後に追加)

 

前々からの悩みであった、浄泉寺のネット環境。それに関して、かなりの状況改善が見られたので、まとめておこう。お寺で同様の悩みがある方もおられると思うので、参考になれば。

 

お寺は、一般の家屋に比べて通常敷地も広く、ネット環境構築はそれなりに悩ましい。もちろん、普段の生活圏だけWiFiが届けば良いという考え方もできるが、例えば法座の様子をネット配信したいという場合には、本堂でもWiFiが使えなければならない。寺子屋をやるにしても、WiFi接続環境があればできる事も増えるだろう。これからのお寺を考えるなら、お寺の敷地内全域でのWiFi接続は必須だ!

 

浄泉寺ではネット環境に関して二つの問題があった。それぞれ性質が違うが、まとめておくと、

 

  1. 固定回線がADSLであって下りはそこそこだが上りの回線速度がとても遅い。これは、趣味的に映画を見たりするには困らないが、法座の様子を録画した動画をYouTubeにアップロードするといったときに、30分の動画をアップロードするのに3時間以上かかるといったことになる。
  2. 寺の敷地は広く、固定回線が来ている部屋からWiFi電波を飛ばしても、寺の敷地内の多くはWiFiが繋がらない。これは、通常は困らないが、例えば本堂から法座の様子や除夜の鐘の様子をライブ中継しよう!とか、寺子屋をして、ネットを活用した教育をしよう!といった場合には問題となる。

ます、1.については解決できない事がわかった。浄泉寺のある地域には、今現在NTT系の光ファイバーがきていない。電力会社系の光ファイバーもきていない。また、WiMAXについては、エリア対応しているようだが、実際に試してみると電波が受信できず断念。よって、1.については当面解決策は無い。(長門市は3年計画で光ファイバーを張り巡らせるようだ。浄泉寺には三年後であろうが、それは楽しみにしている。)

 

さて、2.については、今回解決できた。しかもかなり満足度は高い。これまではどうだったかというと、ADSLモデムに AirMacExtreme というAppleWiFi基地を設置し、その範囲を拡張する AirMacExtreme もう一台、さらに Buffalo の WiFi中継器2台、IODATAの中継器1台で拡張を試みていた。しかし、これは大変不安定であった。例えば、接続できても中継がうまくいかず、通信できないといったことや、弱い電波のまま接続を続け、近くの中継器にはなかなか切り替わらないといった具合。この不安定な状況は、中継器でも同じSSID基地局名)を設定していたせいかもしれないが、違うSSIDで切り替わる形式は嫌だったのでそのようにしていた。敷地内全て同じSSIDは個人的には絶対だったので、なんにしても中継器作戦はダメだったのだろう。

 

そういった状況の中、半年くらい前から Mesh WiFI というものに興味をもっていた。色々種類もあり、Buffaloのものもある。GoogleもNest WiFi という製品を販売している。

 

この手の複数の機器が協調して動く機器の場合、新機種が出たときに、それまでの機種と協働して動く事ができるのか?というのはとても興味深い所だ。例えば、セット販売されている Mesh WiFi を買って、その後さらに拡張したいと考えたとき、そのセット販売されていた機種が旧機種となってしまっていたら、それを拡張ということが無理かもしれない。その場合は全部取り替えになるのか?という不安。

 

Mesh WiFi について、WiFi6も当初は考えた。WiFi6対応のルーターは現状大変高価で、そもそもADSLなので、今投資しても仕方ないと考えた。よって、後日WiFi6対応機種が出たときに、一部をそれに置き換えられることができるだろうと思えることは大事。

 

そこで、ネットで色々リサーチした結果、高級モデルから廉価版モデルまで様々な取りそろえてあり、かつそれらの混在が自由自在な TP-Link社の deco シリーズが良さそうだという結論に達した。混在状態で10台まで拡張可能。さすがに10台あれば、敷地内を網羅できるだろう。

 

基本的にAppleの製品だらけなので、Appleの Mesh WiFi があるならそれが良いのだが、AppleWiFiルータ市場から撤退してしまった。Linksys VelopがApple Store での扱いもあり、Appleおすすめという噂もあるようだが、色々スペックを見ていてどうも違うと感じたのと、LinksysはBelkinらしいのだが、Belkin のイメージがIT機器アクセサリのイメージが強く、どうなんだろうか?という不安があった。見た目は格好が良いが、値段も安いわけでも無いが、実は最後まで迷った。見た目の格好良さは大事だ。

 

今見ると、NETGEAR OrbiもApple Storeでの取り扱いがはじまっているようだ。NETGEARは、以前(恐らく20年くらい前)に、当時広島大学だったが、そこのネットワーク整備でスイッチングハブをNETGEAR製にした事があった、懐かしい。そのスイッチングハブは使い勝手も性能も良かったので、NETGEARは信頼している。

 

Googleはそもそも不安。これは個人的な感覚で、Googleブランドのハードウェアはあまり好きでは無い。そういうこともあって、実はAndroid端末も一台ももっていない・・、と思ったが、Oculus Quest というVR端末はAndroid端末か。

 

ということで?decoになった。現在、以下の構成で合計7台。使い始めておよそ2週間たったが、かなり安定している。ほぼ不満が無い。 

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ただ、まだWiFiが弱い場所があるので(寺は広いのです)、もう二台追加しようかと考えているが、deco にも WiFi6 モデルが登場するようで、これが発売されたらこれをメインにする形で拡張しようかと思っている。

 

 decoが良いのは、設定が楽であるところ。スマホに deco アプリをインストールして、deco を設置する場所でdecoをコンセントにさし、decoアプリを立ち上げた状態でスマホを近づけると設定画面がでて、指示に従うだけ。メインにするdecoは、家の固定回線モデムに有線接続して、やはりdecoアプリの入ったスマホを近づけて指示に従う。decoをどこに設置するかは、家主が考える事だが、他のdecoの電波が届く範囲に設置するだけなので常識的な距離感をもって配置すればよい。どう中継するかは、decoが自分で判断して調整するようだ。

 

 

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decoアプリの画面。このように、それぞれの場所に名前を付けて管理できる。

 

 

詳しくは、次のメーカーの説明ページを見てみよう。わかりやすく書いてある。

www.tp-link.com

 

さらに探したら、お坊さんブロガーのへんもさんも詳しい記事を書いてたw

henmo.net

アンチウィルスの機能(3年間無料のがついている)は、オンにはしているがたまにiPadがポートスキャンしたとかいって反応しますが、それ以外には反応したこと無しなのでよく分からない。iPadからのポートスキャンは通常の動作と思うのだけれども、それに反応したからといって通信できなくなるということもないので放置。基本的にアップル製品しかないので、ウィルス関係はあまり関係無いと言うことかも知れない。まぁ、よく分からないが安心感はある。それから、スマホからワンタッチでゲスト用パスワード無しのWiFiのオンオフができる。これは、将来的には便利に使えると思っている。お寺で何かのイベントをするときに、WiFiを提供できるのは大きなメリット。ただ、ADSLはなんとかしないと。

 

まとめると、完全プロ仕様なWiFiを設置する程に余裕があるお寺は、そちらが良いと思いますが、家庭用でなんとかと言う場合にはdecoは良い選択であろうと思う。

 

M9+が3台はちょっとオーバースペックだったかも知れない。M5を3台で良かったかも。M5なら3台セットで2万円ちょっとのようなのでかなりお得。M9+の3台セットははAmazonで購入して、42800円。M3とM4がセットのはビッグカメラで2セット購入し、21042円。合わせて6万円強。ちょっと奮発したが、長らく悩んできたWiFiの接続不良が解消されたのでかなり満足。M5で構成したら4万円ちょっと。おすすめです。

 

 

 

 追記:2020年7月3日

Wi-Fi6 対応の deco X20 を2台追加した。

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メインのモデムに接続するものを、X20に変更し、本堂にもう一台のX20を設置。Wi-Fi6は、やはり電波がかなり遠くまで届く。これまでのものを配置しなおし、新たな場所にも設置し、これで寺の建物内でほぼWiFiに繋がるようになった。合計9台体制の Mesh Wi-Fiが完成した。

 

 

追記:2020年7月10日 

deco には色々種類がある。現状、浄泉寺で活躍しているのは、以下の通り。色々な機種が混じったヘテロな環境になってしまったが、うまく動いている。

 

X20:最新 WiFi6モデル

M9 Plus:トライバンド、前世代のフラッグシップ(だったのだろうと思う)、平べったいタイプ

M4R:デュアルバンド、比較的新しくて安い、タワー型

M3W:追加用メッシュWi-Fiユニット、コンセントタイプ

 

M3W はメインにはなれないので、現状メインルーターになるものとしては、X20かM4Rだと思う。M9やM5の平べったいタイプは、M5はもってないのでわからないが、M9についてはM4Rのタワー型よりも電波の届き方が弱いようにおもう。また、平べったいタイプは熱がこもりやすいように思う。実際結構熱くなる。タワー型はその辺りが改良されていて、電波の届きも良いし、放熱についても良いように思う。

 

よって、現状比較的広い場所に deco で Mesh WiFi を構築するなら、X20を2台購入して、まずは2台で様子をみる。どうも足らない場合には、お金があればX20をさらに追加。そうでなければ、M4RとM3Wのセットを追加購入といった感じではなかろうか。通常の家であれば、X20を1台でも良いかもしれない。WIFi6は結構強い。

 

追記:2020年8月4日

その後、deco の設置場所や設置場所は同じでも、機種を変更するなど色々やっている。それなりに満足しているのだが、より効率良くならないかを考えてしまう。これは、面倒と言えば面倒だが楽しい作業でもある。面倒な人は、一回設置してそのままでそもそも満足だろう。この、変更しつつ最適化を目指す作業も mesh WiFi の面白いところかも知れない。

 

現状、メインを X20 とし、そこから一番重要な部屋に X20 同士で繋ぐ。その先は、基本 M9 Plus か M4R で、そこはある程度の端末が繋がる場所。さらに、末端(寝室など)に M3W。

 

これでしばらく試そう。

 

追記:2021年3月12日

大変ヘテロな環境だったので、この度構成をかなり変更した。次のブログに書いた。

jyousenjii.hatenablog.com