浄泉爺のブログ

浄泉爺の考え事を記録します(研究のこと、仏教のこと、教育のこと、ドローンとか)

NHKに頑張って欲しい理由

先日、以下のツイートをした。

 

これ以前にも数回似たようなツイートをし、さらには NHKメールによるご意見・お問い合わせからも2回ほど要望を出した。

 

NHKに新型コロナウィルス関連の情報を放送し続ける専門チャンネルは未だに実現できていないが、なぜ、私がこういうことを考えたかについて書く。

 

最大の理由は、ネットにアクセスしない高齢者は多くおられるが、その方々に情報を適切に伝えるにはNHK専門チャンネルが一番有効だと思うからだ。NHKにチャンネルを合わせると、いつでも新型コロナウィルスの情報にアクセスできると、高齢者にとって便利であると思う。例えばいつも連続ドラマなどをやっている、地上波の総合チャンネルが、新型コロナウィルスの情報を絶えず流しているようなイメージ。いつもの番組はサブチャンネルでやっており、画面上にはサブチャンネルへの誘導がずっと出ていると良いだろう。(サブチャンネルへの遷移は複雑だ。これは設計ミスだと思う。)

 

放送の内容は、定期的に現在の状況(日本、世界を含む)を伝え、ウィルスの基本情報や、感染の仕方や、予防法などの基本情報(手の洗い方やマスクがどういう所で有効か等)を繰り返し流す。政治的な判断についても、その背景にある理由等も解説があれば良いように思う。繰り返し流すことが重要で、そうなっていればいつ何時でもそのチャンネルに合わせてしばらく見ていれば、正しい最新の情報や対応方法が手に入る。データ放送がある事は承知しているが、データ放送は、ネット上のテキスト情報の抜粋であり、そもそも情報量が少ない事と、そもそもデータ放送を活用できるひとは、ネットから情報を得るグループであって、テレビ放送が主な情報源である人はデータ放送は見ないのでは無いかと思う。

 

さて、上記がわかりやすい理由だが、よくよく考えるとネットを活用する我々にとっても専門チャンネルはありがたい。ネット上には確かに情報がある。ただ、それは取りに行かないといけない。我々は、有用な情報を示され、確かに有用だ!なるほど!と思えばその情報を取りに行くが、それがわからない場合、表面的な情報だけでスルーしてしまう。これはTwitterをやっていてよく感じることだが、ネット上での情報の価値は、それが面白いか?と言うところがあり、正しいか正しくないかとか、有用であるか無いかということは必ずしも注目を得られない。なぜなら、有用であるか無いかは重要な情報だが、何故それが有用かというのはある程度背景がわからないと判断できないからだ。もちろん、その情報のソースをたどり、しっかりリサーチすれば有用性はわかるし、なるほど!と思ってツイートもできる。ただ、そのツイートも先と同じで、「へー」で終わり、それが話題になることは少ない。面白くないから。つまり、ネット上で正しい情報にアクセスし、各人が情報収集するといった行動を起こさせるには、テクニックが必要である。ただ、有用な情報はここにあるよ!だけでは情報が伝わらない。

 

一方で、テレビ番組で、健康に良い食材などが紹介されるとたちまちブームになる。そこでは、何故その食材が健康に良いかなどの情報がわかりやすく大量に与えられ、なるほど!と思わせる仕組みがある。人はこのなるほど!がが無いと動かない。繰り返しになるが、先のネット情報の場合、なかなかそのなるほど!に到達できない。なぜなら沢山の文字情報や絵を自分で読解していかねばならないから。これは、様々な動画でわかりやすくまとめられている放送というメディアとの大きな違いである。もちろんネット上には、様々な動画クリエイターもいるが、その情報が正しいかどうかはこちらの判断が必要であり、間違っている場合も多いのはよく知られていることだ。

 

例えば、既にNHKも次の様なウェブページで情報を発信している。

 

www3.nhk.or.jp

 

さて、このページをみて、しっかり全体像をつかもう!とリンクをたどり始めるだろうか?

 

首相官邸も次のページを用意している。

 

www.kantei.go.jp

 

こちらは比較的要点だけがまとまっていて、このページだけを熟読すればおおよそどういう行動をとれば良いかがわかる。ただ、自分が感染しているかもというときに、どのようにすればよいか書いてあるが、多くの人が電話をしても検査してもらえないという事に不安を漏らしている。何故、即検査にならないのかといった理由に関する説明が足らないが、恐らく次のページへのリンクをたどり、さらにリンクをたどるなどして納得していく必要があるのだろう

www.kantei.go.jp

これは発熱等ある人にとっては難しい事に思える。

どちらもなかなかの情報量で、全てを閲覧すればかなりの知識量となるだろう。これらのメディアの問題は、色々な情報が他のページへの遷移によってなされ、それらの情報の関連性は、閲覧者の仕事となり、なるほど!に到達すること自体が閲覧者の仕事になる。つまり、これらを健康な状況にあるときに一通り見ておいて、知識を万全にしておくことがある意味求められている。

 

一方で、放送というメディアは、(これ自体が問題点となる事は多々あるが、)時間軸に沿ってストーリーを作成する必要があり、先のなるほど!に至るプロセスを作成するのは作成者の仕事である。これが上手であれば(放送作家など上手な人がいる事は前提にしてよいだろう)、我々はたやすくなるほど!に到達でき、その結果としてさらに深く知りたいと考える。その状態に至っていれば、先のページのリンクを様々たどることを始める気になるだろう。

 

何が言いたいかというと、我々は、なるほど!となればネット情報を活用することを始めるが、それがない場合には、多くの人は表面的理解に止まるのでは無いかという事だ。

 

何となく危ないみたいだが、危機感もちすぎじゃね?

もう怖くてたまらない。家から出ない。家から出る奴はどうかしている。

海外から日本はダメと言われている。やっぱり日本はダメじゃん。

 

こういった内容のツイート散見されるが、果たして深く情報を得てのツイートか?色々な表面的な情報を表面的な解釈でツイートしている内容に流されているだけに見える。が、心の中は、それに近い状況になっているとすればそれは問題であり、正しい行動には繋がらず、いたずらに不安を募らせ、場合によってはパニックに繋がるのでは無いか。

 

さて、研究者というのは上記とは違う。なぜなら研究という動機があり、それ自体がなるほど!を求める事だからだ。だから、例えば今回の新型ウィルスについても、そもそもそれ自体に興味があり、なるほど!を得るためにネット活用をする。つまり、既になるほど!を得るモチベーションがあり、それを研究というのだ。思うに、そういう研究者的思考をする方々からすれば、ネットに情報あるじゃんで終わる話なんだが、研究者的思考でない場合には、ある程度用意されたなるほど!を得ないと情報収集に動かないと思うのだ。(研究者も研究のモチベーションとしてのなるほど!を必要とする。が、これはわかった!という意味でのなるほど!ではなく、何故なるほど!に成りたいかというなるほど!なので、意味合いが違うようだ。これはあまり考えた事の無いトピックスなので、今度また改めて考えてみたい。注意だが、一般論として研究者が素晴らしい!と言うことを言いたい訳では無い。個人的には素晴らしいと思ってはいるが、それが一般論として優れているとかそういうことでは無く、思考のプロセスに違いがあると言うことを言いたいだけだ。)

 

そもそもウェブというメディア自体が、研究者のコミュニティーから生まれたということと、上記の議論との間には関係があると思っている。

 

さて、結局の所、なるほど!をできるだけ多くの人に与える事が今求められていると考えている。そういうことから、専門チャンネルが様々な側面から新型コロナウィルスに対して放送というメディアで情報を提供し、一通りの基礎知識を繰り返し流し、なるほど!に繋がる情報を繰り返し流す。これが、多くの人の行動を変えたいなら必須と考えるのだ。

 

 

今回の感染症については、多くの人が正しい行動をすれば防げる事がわかっている。これは地震等の突発的で防ぎようがない災害とは違う。防げるものには使えるものは全部使うべきではないか?簡単に言えばそういうことだ。

 

そんなことになって欲しくはないが、もしも日本が今現在の諸外国での悲惨な状況と同等になれば、NHK専門チャンネルを作成し、被害の状況を流し、どうすれば身を守れるかというの情報を流し出すだろうと思う。それならば、そうならないための専門チャンネルというアイデアがあっても良いのでは無いかと思う次第だ。

 

ただ、ここまで書いておいてなんだが、今の段階で突然専門チャンネルが設置されるとパニックになる可能性はある。だから、まだそれほど危機感が高く無いときに設置し、皆で防ぎましょう!という雰囲気が欲しかったように思う。もしも、今から拡大防止に向けたチャンネルを作るなら、その辺りは慎重にして欲しいと思う。

 

日本語がぐだぐだだが、疲れたのでもうこれで良いことにしよう。読んでくれた方にはありがとう。なるほど!と思ってくれる方は、先のNHKのページから是非要望を出して欲しいです。

 

ばかじゃないの?と思う方もおられるとおもう。そうかもしれない。ただ、できる事はやった方が良いとおもうんだ。防げるんだから。まぁ、放送法とかあってできないということがあるんじゃないかとも思ってはいるが、なら政府として動くべきだと思うけれども。そんなチャンネル無くてもよいという積極的な理由もあるのかもしれない賢い人が多いであろうNHKや政府の方々がやらないのだから要らないという積極的理由があるのだろうとも想像はしている。

 

それはそうと、結局の所は、個々が感染しないように気をつけ、自分は感染しているかも知らないということから、他の人に感染を拡げないよう気をつけるということに尽きる。根拠のない楽観論とか、根拠のない不安から間違った行動に移る人が増えないことを祈るばかりだ。